debtのブログ

借金 クレジット

2016-01-01から1年間の記事一覧

飛んだ

最終的に、店は閉めざるをえなくなっていた。 今晩、店を営業するための金、給料の支払いも微妙な店には来ないスタッフ、オレ自身が通うお金、もちろんの支払い。 営業もできなくなっていた。 そんな時に、従業員と隠しておいた合い鍵。 玄関マットの下に隠…

何かが弾けた日

二週間、返済を最優先で店を回した。 営業の準備をしていた時間に電話が鳴った。 今日の返済はどうしたのかという。 オレは確かにポストに置いて帰った。 帰りにオレが郵便受けに向かうのは、従業員も見ていた。 オレは受話器越しに怒鳴り、喚き散らしていた…

104パーセント

そうだな。 そうだったな。 ヤクザ系の話と前後してしまうが、オレは日掛けにも手を出していたんだった。 自営業者なら度々目にしたことであろう、日掛け融資のチラシ。 日銭である、毎日の現金収入がありそうな事業所にはポストに、それこそ山のようにチラ…

思った通り

無理やり保証人になることになってしまった二週間後、電話が鳴り、直後に店に金貸しのヤクザがやってきた。 代行さんの返済が行われておらず、保証人のオレに融資の残金と利息の全額を支払えという。 心底失望した。腹が立った。死んで欲しかった。 金貸しの…

鏡の中のオレ

国の金融機関から金を引っ張る仕事なんか、平の組員の仕事じゃない。 頭代行、上の人間の登場だった。 オレと仲の良いことは聞いていて、助けてやって欲しいと聞いている、必ず、融資を受け取って店を立て直すなりしないとと言う。 信頼たらしめる芝居、だっ…

頼りの綱

常連客の暴力団関係者は金になる元を捜していた。 酔っ払っては、大きく覚醒剤の取り引きで儲けた昔話、懲役の話をする。 どこか憎めないタイプの人だった。 一度、辞めた女性スタッフの彼氏、半グレみたいなヤツ、と金銭で揉め、店に押しかけられた時、たま…

金貸しの末路

萬田銀次郎に憧れた金貸しは、酒と一緒にハルシオンを飲んだ。 機嫌が良ければ、すこぶる優しく、面倒見も良く、感じさせた。 オレの彼女も連れて、みんなで飲もう、いつもそう言っていた。 新しく入った、ウチの店の女性スタッフの、前の店の客で、席に着き…

萬田銀次郎に憧れた金貸し

恥ずかしいぐらいに派手なベンツが交通ルールも守らずに走行していた。 品のない派手な色のスーツに、品のない柄のシャツを合わせ、サングラス姿。 夜の商売でいろんな人間と出会ってきた中で、人を見る目は肥えてきているはずだった。 恐らく、ヤクザではな…

あの追い込んだ金貸し

借金というものや、こと、に最初に触れたのは親族とその親族の経営する会社だった。 何も考えず、アルバイトの延長のような正社員になっていた。 人手不足の業界、同級生も誘い入れ、一緒に働いていた。 親族、というよりも父の会社だ。父が専務。 父の姉の…

今も仕組みがわからない

当時、暗躍する中国人の犯罪がニュースになることが多かった。 オレの店にも胸のポケットに300万円ほどの束を突っ込んだ中国人(すでにどうにか日本人として生きていた)が、出入りしていた。 出勤前の日中、不釣り合いに昼の繁華街で出くわした。 付いて来い…

ミナミの帝王が人気だった

オレの夜の店には暴力団関係者の客も多かった。 一昔前の夜の繁華街、その一本裏通りにはそういった人間がたくさん居た。 その中には金貸しをする人も多かった。 月一割や二割、トイチ、スタイルも様々だった。 今のようにコンビニATMもない時代。 夜遊びで…

後悔する分岐点

名義がオレの、少なくとも100万円は、この二ヶ月間の労働力は、オレの店だった。 社長の双方にいい顔をした嘘がバレた。 オレが出した準備金の話をオーナーにすると、オレに渡すようにと社長に100万円を預けたという。 社長が100万円を着服していた。 オレは…

話が違う

オレの店には度々、ビルのオーナーが来店していた。 オレが、どういうわけか入居した店舗は、金を持っていなかったオレにとって、オーナーの力添えが無くてはならなかった。 オーナーが客を連れてきたり、客人をもてなすために、という理由で、店の名前はオ…

20年近く前

最近のニュースで耳にした、金にまつわる事件。 南アフリカの銀行発行のカード情報が盗まれ、カードが偽造され、そのカードで日本のコンビニATMから現金が引き出された。それも多くの県にまたがり、ほぼ同時刻に一斉に引き出された。 末端の出し子が逮捕され…

泥沼から抜けられないでいる

50万円、大きい額なのか、大金なのか、それっぽっちなのか。 借金してかき集めた50万円。 夜の店を持つことになって、時を同じくするころ、飲食店の給料未払いと共に、仕入れのお金にも事欠くようになった洋服屋。 一緒に住み、店を回していた彼女と別れ、店…

世間知らずで済ませてやっていいのか

運転資金が必要だった。 独立をするための最終段階にあっての金。 開店への最終準備。 一時の借り入れが必要だった。 社長が約束してくれていた運転資金を応援してくれるという話は、反故にされたわけじゃなく 、経営の状態がわずかでも上向けばすぐに払って…

助かったのか、騙されたのか

夜の店の給料の未払いが続くこと数ヶ月、未払い給料の代わりに、店を持ってみないか、独立しないかという話が出た。 社長の大学の先輩に当たる方がオーナーの飲食店ビル、そのビル内の空き店舗。 その数店舗の中から、場所は選んでいいという。いずれも20人…

あっためて、開花

街金とサラ金、合わせて借金が50万円になっていた。 何に使ったのだろうか。 もう記憶にない。ないほど、なくなるほどどうでもいいものに遣った。これが正解だ。 風俗、ちょっとした生活費、パチンコ、月々の支払い。 オレが働いていたのは、繁華街の、今で…

事故のマークが消える時

この文章は、書きながら自分自身、けっこう気に入っていたものだ。 下書きを完成させたと同時に、何かをクリックしたらしく、どこかにしまわれるか、消去された、ハズだった。 それが見つかったので、公開する。 前回と同じ事を伝えているのだけど、熱量が違…

貯金と勘違いする奴は止めとけ

彼女に内緒の遊びは、全部そこからのお金だった。 カタカナファイナンス。ファイナンスとは名ばかりの街金。 ジョンソンファイナンス(仮)にする。 残りの17万円はあっという間に”引き出していた” でも、この街金に感謝もしていた。 大手サラ金チェーンでも貸…

魔が差す瞬間

暑い日差しの平日だった。 後にわかったことだが、当時の彼女は浮気していた。だから、オレにも指一本触れさせないことが多かった。 一緒に商売をしていて、家計も任せてあった。 とにかく、シャワーを浴びたくて、風俗に行きたくては、そのお金が必要だった…

幸か不幸か

まだ借金のない人は、立ち止まって考えて見てほしい。 そのままするな。 どっぷり借金のある人は、共感してもらえたらいい。 今となってはわかる。 借金なんて銀行か、身内からするもんで、そのほかから借りるもんじゃない。 クレジットカードのステータス?…

茫然自失

一日でいっぺんに、3社のサラ金から融資を断られるなんて、そりゃもう笑うしかないね。 駅前の大手サラ金の無人契約機をハシゴして、一件は融資枠五万円のカードで融資額ゼロ。もう一件が融資枠三万円のカードで同じく融資額ゼロ。もう一件はお断りだった。 …

ヒモみたいに

開業の運転資金。 パートナーにばかりサラ金で借りてもらうのもなんだっつうことで、オレも出向いた。 一年前のオートローンが全くかすらなかったこと、そのほとぼりもそろそろ冷めたんじゃないかと思ってさ。 もちろん、今ではわかっている。融資の審査に申…

愚の骨頂、だと

乗りたい車に乗ることも、買うことも叶わなかったころ。 当時の付き合っていた女性と小さなお店を持ちたいという話になった。 15坪程の店舗スペースに、その二階が住居になっている古いタイプの店舗付住宅。家賃は市の中心部で部屋を借りるのと変わらない額…

申し込めども、申し込めども

中古車店のオートローンなんて、店の人が一生懸命やってくれれば余裕で分割払いにできるんだと思ってた。 当たり前に記入して、審査を通らず、軽く数字を盛っても通らず。 弟を保証人に記入しても通らず。 次にどう書き直そうかとしてる時に、店の人から、こ…

オートローンの申し込み

どうしても自分だけで所有する車が欲しかった。 父親と一緒に使う車と、その行為自体がとてつもなく嫌だった。 休日に使えもしない車、タバコの灰が舞っていることを注意される車、タイヤとホイールのキズを注意される車。息の詰まる車。 150万円ぐらいで売…

初めて足を踏み入れた頃

今から24年ぐらい前の記憶を思い出させてみる。 その頃は免許も取りたてで、欲しい物の一番に車があがる頃。 カタログや見積もり書、中古車雑誌、インターネットも無い時代の愛車探し。 クレジット、借金の知識も全くない。ローンはお金を建て替えてもらって…