debtのブログ

借金 クレジット

あの追い込んだ金貸し

借金というものや、こと、に最初に触れたのは親族とその親族の経営する会社だった。

 
何も考えず、アルバイトの延長のような正社員になっていた。
人手不足の業界、同級生も誘い入れ、一緒に働いていた。
親族、というよりも父の会社だ。父が専務。
父の姉のオバが社長、妹さんは事務員、妹さんの旦那がいて、その兄もいて。
父の兄のオジは出入り業者。
血縁のない社員も数名の一族経営。
 
何事もなく毎日が過ぎていた。
将来はこのままダラダラと、この会社の社長になるのが自分のこの先。
大して夢も希望もなく、甘やかされた状況と周囲よりはという金ならあった。
 
異変、なんて気付いたときには最終局面だったのではなかろうか。
税理士の来社と滞在時間が増えて、深刻で暗い社内の雰囲気、それぐらいだった。
 
結果的にこの規模の会社では考えられない額の借金を抱えていた。
売り上げとしては順調だった。
その状況を元手に借金をし、ノンバンクまで借り入れの手を伸ばし、手形を決済できない状態、不渡りになった。
 
その晩から金融関係者の出入りが激しくなった。
金融、というよりヤクザ金融だ。
 
オバは行方がつかめなくなり、妹さんは手形の裏書き、保証人になり家にも帰れずにホテルに家族で隠れていた。
オレと同級生は未成年だったこともあり、知らないで通せると、留守番役だった。
 
会社には取り立てがひっきりなしに訪れ、その応対をした。
毎晩のように現れる金融関係者。
助けてくれるという話や人が現れては消えてゆき、話は毎日、二転三転とした。