debtのブログ

借金 クレジット

2016-07-01から1ヶ月間の記事一覧

飛んだ

最終的に、店は閉めざるをえなくなっていた。 今晩、店を営業するための金、給料の支払いも微妙な店には来ないスタッフ、オレ自身が通うお金、もちろんの支払い。 営業もできなくなっていた。 そんな時に、従業員と隠しておいた合い鍵。 玄関マットの下に隠…

何かが弾けた日

二週間、返済を最優先で店を回した。 営業の準備をしていた時間に電話が鳴った。 今日の返済はどうしたのかという。 オレは確かにポストに置いて帰った。 帰りにオレが郵便受けに向かうのは、従業員も見ていた。 オレは受話器越しに怒鳴り、喚き散らしていた…

104パーセント

そうだな。 そうだったな。 ヤクザ系の話と前後してしまうが、オレは日掛けにも手を出していたんだった。 自営業者なら度々目にしたことであろう、日掛け融資のチラシ。 日銭である、毎日の現金収入がありそうな事業所にはポストに、それこそ山のようにチラ…

思った通り

無理やり保証人になることになってしまった二週間後、電話が鳴り、直後に店に金貸しのヤクザがやってきた。 代行さんの返済が行われておらず、保証人のオレに融資の残金と利息の全額を支払えという。 心底失望した。腹が立った。死んで欲しかった。 金貸しの…

鏡の中のオレ

国の金融機関から金を引っ張る仕事なんか、平の組員の仕事じゃない。 頭代行、上の人間の登場だった。 オレと仲の良いことは聞いていて、助けてやって欲しいと聞いている、必ず、融資を受け取って店を立て直すなりしないとと言う。 信頼たらしめる芝居、だっ…

頼りの綱

常連客の暴力団関係者は金になる元を捜していた。 酔っ払っては、大きく覚醒剤の取り引きで儲けた昔話、懲役の話をする。 どこか憎めないタイプの人だった。 一度、辞めた女性スタッフの彼氏、半グレみたいなヤツ、と金銭で揉め、店に押しかけられた時、たま…

金貸しの末路

萬田銀次郎に憧れた金貸しは、酒と一緒にハルシオンを飲んだ。 機嫌が良ければ、すこぶる優しく、面倒見も良く、感じさせた。 オレの彼女も連れて、みんなで飲もう、いつもそう言っていた。 新しく入った、ウチの店の女性スタッフの、前の店の客で、席に着き…

萬田銀次郎に憧れた金貸し

恥ずかしいぐらいに派手なベンツが交通ルールも守らずに走行していた。 品のない派手な色のスーツに、品のない柄のシャツを合わせ、サングラス姿。 夜の商売でいろんな人間と出会ってきた中で、人を見る目は肥えてきているはずだった。 恐らく、ヤクザではな…

あの追い込んだ金貸し

借金というものや、こと、に最初に触れたのは親族とその親族の経営する会社だった。 何も考えず、アルバイトの延長のような正社員になっていた。 人手不足の業界、同級生も誘い入れ、一緒に働いていた。 親族、というよりも父の会社だ。父が専務。 父の姉の…

今も仕組みがわからない

当時、暗躍する中国人の犯罪がニュースになることが多かった。 オレの店にも胸のポケットに300万円ほどの束を突っ込んだ中国人(すでにどうにか日本人として生きていた)が、出入りしていた。 出勤前の日中、不釣り合いに昼の繁華街で出くわした。 付いて来い…

ミナミの帝王が人気だった

オレの夜の店には暴力団関係者の客も多かった。 一昔前の夜の繁華街、その一本裏通りにはそういった人間がたくさん居た。 その中には金貸しをする人も多かった。 月一割や二割、トイチ、スタイルも様々だった。 今のようにコンビニATMもない時代。 夜遊びで…

後悔する分岐点

名義がオレの、少なくとも100万円は、この二ヶ月間の労働力は、オレの店だった。 社長の双方にいい顔をした嘘がバレた。 オレが出した準備金の話をオーナーにすると、オレに渡すようにと社長に100万円を預けたという。 社長が100万円を着服していた。 オレは…

話が違う

オレの店には度々、ビルのオーナーが来店していた。 オレが、どういうわけか入居した店舗は、金を持っていなかったオレにとって、オーナーの力添えが無くてはならなかった。 オーナーが客を連れてきたり、客人をもてなすために、という理由で、店の名前はオ…

20年近く前

最近のニュースで耳にした、金にまつわる事件。 南アフリカの銀行発行のカード情報が盗まれ、カードが偽造され、そのカードで日本のコンビニATMから現金が引き出された。それも多くの県にまたがり、ほぼ同時刻に一斉に引き出された。 末端の出し子が逮捕され…

泥沼から抜けられないでいる

50万円、大きい額なのか、大金なのか、それっぽっちなのか。 借金してかき集めた50万円。 夜の店を持つことになって、時を同じくするころ、飲食店の給料未払いと共に、仕入れのお金にも事欠くようになった洋服屋。 一緒に住み、店を回していた彼女と別れ、店…