金貸しの末路
機嫌が良ければ、すこぶる優しく、面倒見も良く、感じさせた。
オレの彼女も連れて、みんなで飲もう、いつもそう言っていた。
新しく入った、ウチの店の女性スタッフの、前の店の客で、席に着きたくないと彼女は言う。
こういうガラの悪いタイプを苦手とする女の子は多い。
ぐらいに思っていた。
次のときもそうだったし、金貸しも店内で、その子の存在に気付き、席に付けるなと言った。
以前、彼女の彼氏はガソリンスタンドで働いていた。
派手なベンツでやってくる客。
次第に仲良くなり、彼女の存在を聞き、金貸しの自宅兼事務所で飲み会をした。
その席で、彼氏は記憶もなくなるほど、眠り込むほどの量の酒を飲まされ、同様に飲まされた彼女はこの間に口説かれ、犯されたという。
金貸しにとっては、オレも同様だった。
このことを聞いて、距離をおくようになった。
オレの人を見る目なんか、どうしょうもない。