debtのブログ

借金 クレジット

104パーセント

そうだな。

そうだったな。
 
ヤクザ系の話と前後してしまうが、オレは日掛けにも手を出していたんだった。
自営業者なら度々目にしたことであろう、日掛け融資のチラシ。
日銭である、毎日の現金収入がありそうな事業所にはポストに、それこそ山のようにチラシが投げ込まれていた。
 
例えば、30万円を借りるとする。土日以外の平日、営業が終われば、その日の売り上げから一万円なりを返済していく。三ヶ月弱をかけての返済。融資が高額なら、100回だった。
毎日集金することの手間と、一年以内の融資のため、出資法金利の制約を受けず、104パーセントだか108パーセントの年率に換算した金利が許されていた。
 
オレは30万円と50万円、二社から借りていた。
 
初めて、恐る恐る電話をし、説明だけと担当者を呼んだ。
人の良さそうな、ずんぐり体系の担当者。
即、申し込み。
返済は客や従業員に知られたくないだろうからと、ビルの一階の郵便受けに、郵便物の下に潜り込ませる。
鍵、といってもダイヤル式の3桁の南京錠の番号を共有する。
 
この融資で、滞っていた従業員の給料に当てたり、備品を買ったり、とにかく、店のために前向きに投資のように使った。
店のために借りた金。
久々、いや初めて、店のために思いきり使う金。
そして、そのやる気を売り上げという現金に代え、毎晩返済しなければならない。
 
10回、15回、苦しいながらも毎晩、返済への金を優先した。現金が回らない日でさえ、女の子の日払い給与を翌日に持ち越し、頭を下げ、それでも帰りにポストに金を置いて帰った。