debtのブログ

借金 クレジット

20年近く前

最近のニュースで耳にした、金にまつわる事件。

南アフリカの銀行発行のカード情報が盗まれ、カードが偽造され、そのカードで日本のコンビニATMから現金が引き出された。それも多くの県にまたがり、ほぼ同時刻に一斉に引き出された。
末端の出し子が逮捕されたニュース見聞きしたと思う。
 
夜の繁華街の飲食店を経営していれば、自然と夜の闇に紛れて生きるという言葉しか似合わない、そういう稼業の人との繋がりができてしまう。
オレはそれを断ち切る強さもなかったし、その繋がりの中で勘違いした強さを持ち、足を踏み入れる。
 
代紋の違う組織の人間とそれぞれに付き合い、スタッフの女性の彼氏がそっちの世界だと話をし、常連だった人間が直参に出世するなら一席設け、月々の守代を渡した。
電話をすればすっ飛んで来てくれる、オレのなけなしの金に寄ってきた人間たち。
 
夜の街では現在のニュースと同じモノがあった。
中国人の持つただのプラスチックに磁気テープが貼られたようなクレジットカード。
これで店の売り上げとしてカード決済をする。
翌月末には入金され、その金を7対3で分ける。
中国人犯罪者の仕事。
当時は蛇頭という密入国を仕掛ける組織が、中国から船で、不法入国者を連れてきていた。
とある浜辺で4トントラックで待機しておく。そこに不法入国者が上がってきたところを先導役がトラックに詰め込む。
後は約束の場所でトラックから密入国者を下ろす。
手っ取り早く稼いで国に還るために、彼らも犯罪組織に加わる。
そんな密入国したての中国人に自己紹介されたことがある。仕事は何でもするよ、殺しは3万円からだ。
 
犯罪組織の人間に囲まれていく中で、借金まみれのオレには、彼らの持つ大金がうらやましく光って見えた。