debtのブログ

借金 クレジット

あっためて、開花

街金とサラ金、合わせて借金が50万円になっていた。

 
何に使ったのだろうか。
もう記憶にない。ないほど、なくなるほどどうでもいいものに遣った。これが正解だ。
風俗、ちょっとした生活費、パチンコ、月々の支払い。
 
オレが働いていたのは、繁華街の、今でいうところのキャバクラのようなミニクラブ。
そこの給料がまともに払われなくなったことも、借金に拍車をかけた。
 
オレの前の店長はやり手だった、し、社長も同じくだった。
三番手の立場がオレだった。
 
店長は、オレが上にいくためには 目の上のタンコブってやつだった。
 
勤務態度、スタッフの女性、客から評判の悪い店長を追い出したかった。
オレの意図する方向性の店に仕向けたかった。
最終的には、社長がオレと進む未来を選んでくれた。
そして、このことがオレの強さであり、弱さであり、甘さであった。
 
店長はやり手だった。スタッフの女性に嫌われるのは、売上、勤務態度、接客に厳しい要求をするからだし、客に嫌われるのは売り上げることにシビアだからだ。
そのことを笑ってなあなあにするオレは、ヌルい関係の中でこそ、好かれていることなのに勘違いをし、自分の実力と思い込んでいた。
 
そんな新店長の店は、明らかに客が減り、スタッフの質も下がった。
常連だったあの人の顔も見なくなり、店の外の繁華街の交差点に立つと、あの人たちの顔があった。
 
店長の責任を果たせない中で、売り上げが下がり、給料が遅れる。
その責任の負い方は仕方ないと思っていた。
 
自然と、生活費の遣り繰りは借金に頼ることになる。
この受け入れ方がオレの強さだし、金のことを言い出せないオレの弱さだし、この状況を招いたのはオレの甘さだった。
 
オレを選んでくれた社長のために、この状況を受け入れ、立て直す必要があった。
社長を捨てて、出ていくわけにはいかない。
 
数年後に、この時期から始まった後悔の期間を考えたとき、このことが今のオレを形成する要素だと思っていた。
 
もう借金の螺旋からは降りられないでいた。